ABOUTTFP工法とは?

TFP(テーラード・ファイバー・プレースメント)工法は、要求に応じて基材上に強化繊維を縫いとめてプリフォーム(中間基材)を形成する工法です。
強化繊維は繊維配向にしか強度を発生しないという強い異方性の特徴を持つため、材料能力を最大化させるには、主応力の方向に繊維を配向する必要があります。

TFP工法は連続的に自由に繊維を配置することができるので、必要な方向に必要な強度を持たせる複合材構造設計が可能となり、軽量化と高剛性を両立した製品・部品を造りだすことができます。また、繊維を切断することなく最小限に配向できるため、材料の歩留まり率が高い工法でもあります。

従来工法との違い

従来工法
(疑似等方工法)
TFP工法
UDテープ材やシート材は立体形状への賦形性が悪く、繊維を曲線に配置することができないため、 材料の機械的な特性を十分に発揮させるのが困難です。 長繊維である炭素繊維を途切れさせることなく、任意の方向に配向・積層させて形成することができるので、複雑な形状も実現できます。
強度は生地を構成する繊維方向に限定されるため、複雑な配向ができません。そのため材料の機械特性を十分に発揮することが困難です。 炭素繊維を切断することなく、任意の方向に配向・積層させることで繊維の機械的特性を損なわず、材料能力を最大限に発揮させることが可能です。
積層したシート材を任意の形状にカットするため端材が出ます。最終製品の製造コストの40%が素材費で、そのうち廃棄率は50%といわれています。 最終製品の近似形状(ニアネットシェイプ化)で炭素繊維を配置することができるため、最小限の材料で済みます。

比較

最適形状比較

単純な0°、 90°の積層はUD テープ材や織物材を使用することで十分対応可能です。一方で中抜き、螺旋、放射線等の形状での使用は非常に困難で、製造面でも強度面でも大きな課題とされてきました。
しかし、TFP工法はこのような従来不可能とされてきた形状の配向を得意としています。

形状例

0°+ 90°

中抜き形状

螺旋形状

放射線形状

CF織物
UDテープ
× ×
TFP工法

物性値比較

金属部品からCFRP に置き換える際、単純な擬似等方で積層させ るのではなく、より効果的な長繊維配向というエッセンスを含めることで任意方向へ 剛性を飛躍的に高めつつ、軽量化を実現可能。また、 密度や配向を変えれば製品ごとに性能の違いを出すこともできます。

TFP工法による最適形状

TFP工法とトポロジー最適化

ある条件下で不要な材料を削って最適な設計案を見出す手法「トポロジー最適化」は、軽量化や強度改善のメリットを活かした理想的な設計理論です。このトポロジー最適化は、形状のみならず、形態も考慮した最も自由度の高い方法論で、その有用性から大きな注目を集め、近年プラスチックや金属を用いた部品の設計に広く利用されるようになってきました。
この方法で得られた最適構造は、極めて複雑な幾何学的形状となります。しかし、TFP工法は、自由に繊維を配置することができますので、従来実現できなかった複雑な構造も形成することが可能になります。

TFP工法に使用されるCFフィラメント素材

炭素繊維フィラメント

コミングルヤーン

DRY

PCY

新規中間材料「SIS」
(Slit-like impregnated spool)

コミングルヤーンの技術を応用したCFRTP用縞状含浸中間材料

①高い含浸特性と②長手・幅の両方向でしなやかさ。両者を兼ね備えたテープ状の中間材料は、TFP工法に最適な素材です。

カジレーネの技術情報はこちら
https://www.ipros.jp/product/detail/2000568127/

TFP工法における製造工程

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